M5チップを搭載した新型iPad Proは、外観こそM4と変わりませんが、内部の処理性能が底上げされています。
とくにAI関連の処理は最大3.5倍に伸び、Apple Intelligenceの動作がよりスムーズになりました。
うーん、Apple Intelligenceって別に使ってないしなぁ…
とはいえ、実際にはこんな声も聞こえてきそうです。では、AI以外の進化ポイントは具体的にどこなのか?
この記事では、M4との違いを分かりやすく比較しながら、あなたの用途にとって“本当にM5は買いなのか”を丁寧に解説していきます。
iPad Pro(M5)と旧機種(M4)の主な違いは?

新型iPad Proの最大の目玉は、やはり順当に進化を遂げた「M5チップ」の搭載です。
- iPad Pro M4比で、最大3.5倍の"AI"パフォーマンス
- N1(ワイヤレスネットワークチップ)搭載、Wi-Fi7/Bluetooth6に対応
- 3DレンダリングがM4比で最大1.5倍高速化 → 3Dゲームもより速く美しく
※11インチ同士で比較しています
AI処理とグラフィック処理能力が向上し、特定のニーズを持つユーザーに刺さる進化です。
外観はM4から変化ありませんが、Wi-Fi 7やBluetooth 6といった最新の通信規格への対応も見逃せない進化点と言えるでしょう。
M4との違い①|最大3.5倍の"AIパフォーマンス"
M5チップに組み込まれたAIエンジンは、前世代のM4比で最大3.5倍の処理性能に。
これによってローカル環境、主にApple独自AI(Apple Intelligence)での処理速度向上が見込めます。
今年のiPad新機種は、Apple Intelligenceを主眼に据えたチップの性能向上が目立ちました。
AIは今後も拡張していくのはほぼ確定路線だと思われますので、長く使っても性能の劣化を感じにくい部分でしょう。
端末内で稼働するApple Intelligenceをサクサク動かすにはパワーが必要になるので、その為の布石といえます
M4との違い②|通信規格(Wi-Fi 7 / Bluetooth 6)の進化
M5は最新のWi-Fi 7に対応し、理論上の通信速度が大幅に向上。通信の安定性も強化されました。
また、Bluetoothも5.3から6へと進化を遂げ、周辺機器との応答速度や省電力性も改善しています。
M4との違い③|ゲームや動画編集が美麗サクサクに
また、3Dレンダリングも最大1.5倍の高速化を実現し、美麗3Dゲームや4K動画編集といった作業において、その真価を発揮します。
こうした計算が速くなることで、ゲームの画質が上げてもカクつきにくくプレイが可能になります。
また、動画の書き出し時間が大幅短縮や、編集中のプレビューも滑らかといった、作業体験も大きく向上します。
この点は既にM4でも相当なクオリティなので、常に最高の環境を追求するプロ向けといって差し支えないでしょう
前機種(M4)と細かい部分での違い

特に、今世界の潮流になっている「AI」などのパフォーマンスでは、大幅な進化を遂げた「M5」。
ここからは、外観、処理性能、そしてディスプレイという3つの要素に分けて、M4との具体的な違いを徹底検証していきます。
外観や重量など → 変化無し
| 項目 | 11インチ iPad Pro (M5) | 11インチ iPad Pro (M4) | 違い |
| 高さ | 249.7mm | 249.7mm | なし |
| 幅 | 177.5mm | 177.5mm | なし |
| 厚さ | 5.3mm | 5.3mm | なし |
| 重量 (Wi-Fiモデル) | 444g | 444g | なし |
| 重量 (Wi-Fi + Cellularモデル) | 446g | 446g | なし |
M5モデルの外観デザインは、前機種M4で確立された最薄・軽量デザインをそのまま踏襲しており、見た目の変化はありません。
カラーバリエーションやカメラ配置などもM4と共通しており、今回は完全に「中身の性能向上」に焦点を当てたものとなっています。
M4では圧倒的な薄型化で目を引いた分、少し物足りなくも感じるかもしれません…
CPUやメモリ構成 → 進化
| 項目 | Apple M5チップ | Apple M4チップ |
| CPUコア数 | 9コア (高性能3 + 高効率6) | 9コア (高性能3 + 高効率6) |
| GPUコア数 | 10コア | 10コア |
| メモリ帯域幅 | 153GB/s | 120GB/s |
| 標準RAM | 12GB RAM | 8GB RAM |
「メモリ帯域幅」が約30%向上しており、これがM5の全体的な性能向上を支える縁の下の力持ちとなっています。
さらに、メモリ{RAM}容量が12GBに増量され、より大規模なファイルやプロジェクトを扱う際の余裕が生まれました。
1TB / 2TBモデルは16GBのメモリを積んでいます
ディスプレイの仕様 → 変化無し
| 仕様項目 | 11インチiPad Pro (M5) | 11インチiPad Pro (M4) |
| ディスプレイ種類 | Ultra Retina XDRディスプレイ | Ultra Retina XDRディスプレイ |
| パネル技術 | タンデムOLED | タンデムOLED |
| ラミネーション | フルラミネーション | フルラミネーション |
| 反射防止 | 反射防止コーティング | 反射防止コーティング |
| ProMotion | ProMotionテクノロジー | ProMotionテクノロジー |
| 色域 | 広色域 (P3) | 広色域 (P3) |
ディスプレイについても、M4で初搭載されたUltra Retina XDR(タンデムOLED)を引き続き採用。
1TB/2TBの上位モデルでは、外光の映り込みを抑えるナノテクスチャガラス、も引き続き選択可能です。
また、60W以上のアダプタ(別売)を使用することで、高速充電も可能になりました(※30分で50%)。
iPad Pro(M5)は結局買い?

前の世代のiPad Proから買い替えるべきかどうかは、今お使いのモデルの世代によって大きく変わってきます
とくにM1以前のチップを搭載したモデルと比較すると、3Dレンダリングひとつとっても約6.7倍の性能差が公言されています。
また、2世代前の「第4世代」以前の機種と比べると、ディスプレイがOLEDになった分、画質面で大きな性能差が生じます。
こんな人は「買い」|iPad Pro M5がオススメな人
- 仕事の効率を極限まで高めたい
- 高負荷なゲームを、最高設定でガンガン動かしたい
- 現在使用しているiPadやPCの処理速度に不満
M5はとくに、Apple Intelligenceの将来性に魅力を感じているなら買いの選択肢です。
また、3Dレンダリングや動画のエンコード時間を短縮したい、究極の処理速度と将来的な余力に投資したいと考えるハイエンドユーザーに強くお勧めできます。
Apple Intelligenceがあれば、要約や文字起こし、メールの返信文生成などがわずか数タップで行える様になります
こんな人は「STAY」|iPad Pro M4で十分な人
- 用途がビジネス、学習、軽いエンタメが中心
- M4をすでに所有しており、現在のタスクに対して特段不満がない
すでにM4を所有している方や、用途がビジネス、学習、エンターテイメントが中心で重いクリエイティブ作業をしない方は「STAY」で十分です。
M4はM5と同じ美しいOLEDディスプレイと優れたデザインを持っており、現在のタスクに対しては正直何の不満もありません。
価格差に見合うだけの恩恵を日常で得られるか冷静に判断しましょう。
今だからこそ|旧機種(M4)の検討も
M5の登場によって価格が下がった旧機種は、今最もコストパフォーマンスが高い選択肢として注目すべきでしょう。
とくにM5で強化されたAI性能やWi-Fi 7といった最新規格にこだわりがなければ、M4はM5と遜色ないユーザー体験を提供します。
旧モデルとはいえ、その高性能とデザインは現役で通用する水準を遥かに超えているため、価格を抑えたい方には絶好の機会です。
「最新」、「AI」に惹かれないならM4も視野に
主にディスプレイ性能で妥協できるなら5万円程節約できるかも
iPad Pro M5の「違い」まとめ

- 最大3.5倍に強化された、AIパフォーマンス
- Wi-Fi 7 / Bluetooth 6対応で通信速度と安定性が大幅向上
- メモリ帯域幅とRAM容量強化により、重い作業でも余裕の処理性能
- 3Dレンダリング最大1.5倍向上でゲーム・動画編集の体験がより滑らかに
今の作業環境をもっと快適にしたい、あるいはApple Intelligenceをしっかり使いこなしたいなら、M5はその期待に応えてくれます。
性能の“余白”が生まれることで、買い替え後の満足度は確実に高まります。
逆に、現行の使い方に不満がないなら、無理に買い替える必要はありません。
本記事が、あなたのスタイルに合う一台を選ぶ手助けになれれば幸いです。